「Web広告にいくら予算を使えばいいのかわからない」「売上の何%が適正なのか」「Google、Meta、Yahoo!にどう配分すべきか」──多くの企業のマーケティング担当者が抱える悩みです。
この記事では、2026年最新のデータをもとに、業種別の広告費相場、ROI目標の設定方法、媒体別の予算配分、そして失敗しない予算の組み方まで、実践的なノウハウを徹底解説します。
【本記事のデータについて】
本記事で紹介する数値データは、公開されている業界統計、調査データ、および当社を含む複数の広告運用実績を参考に構成しています。記載された予算相場やROI数値はあくまで参考値であり、実際の結果は、商材、競合状況、運用スキル等により異なります。
2026年現在、国内のWeb広告費は3.8兆円を突破し、テレビ広告費を大きく上回っています。適切な予算配分と目標設定を行えば、中小企業でも大手に負けない成果を出せる時代です。本記事では、予算月10万円から1,000万円まで、段階的に最適な予算の組み方をご紹介します。
目次
- Web広告予算の基本的な考え方|2026年版データ
- 業種別のWeb広告費相場と売上比率
- ROI・ROAS目標の設定方法
- 媒体別の予算配分戦略
- 企業規模別・予算の組み方
- 失敗しない予算配分の5ステップ
- よくある予算配分の失敗パターン
- 業界別・予算配分成功事例
- 予算を見直すべきタイミング
- FAQ:Web広告予算に関するよくある質問
Web広告予算の基本的な考え方|2026年版データ
Web広告予算を決める際、まず理解すべきは「適正予算」の考え方です。単に「競合がこれくらい使っているから」という理由だけでは、予算の無駄遣いにつながります。
国内Web広告市場の現状
| 項目 | データ |
|---|---|
| 2026年の国内Web広告費 | 約3兆8,500億円(前年比108%) |
| 媒体別シェア | 検索広告40%、ディスプレイ25%、動画20%、SNS15% |
| BtoB企業の平均広告費(売上比) | 2-5% |
| BtoC企業の平均広告費(売上比) | 5-15% |
| EC事業の平均広告費(売上比) | 10-20% |
詳細は電通の広告費統計などの公開データをご確認ください。
Web広告予算を決める3つの基準
Web広告予算は、以下の3つの基準から逆算して決定します。
予算決定の3つのアプローチ
- 売上目標から逆算:目標売上÷目標ROAS=必要な広告費
- 売上比率で設定:年間売上×業界平均の広告費比率
- 獲得目標から逆算:目標CV数×目標CPA=必要な広告費
適正予算の計算例
具体的な計算例を見てみましょう。
【例】EC事業者の場合
- 目標月間売上:1,000万円
- 目標ROAS:400%(広告費1円で売上4円)
- 必要な広告費:1,000万円÷4=250万円/月
結論:月間250万円の広告費で、1,000万円の売上を目指す。売上比は25%。
【例】BtoB企業(SaaS)の場合
- 目標月間リード数:100件
- 目標CPA:20,000円
- 必要な広告費:100件×20,000円=200万円/月
結論:月間200万円の広告費で、100件のリードを獲得する。
業種別のWeb広告費相場と売上比率
業種によって、適正な広告費比率は大きく異なります。ここでは、主要業種の相場をご紹介します。
業種別の広告費比率(売上比)
| 業種 | 広告費比率(売上比) | 特徴 |
|---|---|---|
| EC・通販 | 10-20% | 競争激化により高め。新規獲得重視 |
| 健康食品・サプリ | 15-30% | CPAが高く、LTV重視の運用 |
| 美容・コスメ | 10-25% | SNS広告の比率が高い |
| 食品(EC) | 8-15% | リピート購入が多く、CPA抑制可能 |
| 不動産 | 3-8% | 高額商材のため、比率は低いが金額は大きい |
| BtoB SaaS・IT | 15-40% | 成長期は高比率。安定期は10-20%に |
| 製造業(BtoB) | 2-5% | 検索広告中心。認知施策は少なめ |
| 教育・人材 | 8-15% | 繁忙期に予算集中。閑散期は抑制 |
| 金融・保険 | 5-12% | 審査が厳しく、CPAは高め |
| 旅行・レジャー | 6-12% | 季節変動が大きく、繁忙期に集中 |
事業フェーズ別の広告費比率
事業のフェーズによっても、適正な広告費比率は変わります。
事業フェーズ別の目安
- スタートアップ期(創業1-2年):売上の30-50%も可。認知獲得・市場テストが目的
- 成長期(3-5年目):売上の15-30%。新規顧客獲得を積極化
- 安定期(6年目以降):売上の5-15%。効率重視、リピーター育成
- 成熟期:売上の3-8%。ブランド維持、既存顧客中心
ROI・ROAS目標の設定方法
Web広告の成果を測る指標として、ROI(投資対効果)とROAS(広告費用対効果)があります。適切な目標設定が、予算配分の鍵となります。
ROIとROASの違い
| 指標 | 計算式 | 用途 |
|---|---|---|
| ROI(投資対効果) | (売上-原価-広告費)÷広告費×100 | 利益ベースの評価。経営判断に使用 |
| ROAS(広告費用対効果) | 売上÷広告費×100 | 売上ベースの評価。広告運用に使用 |
一般的に、広告運用の現場ではROASが使われますが、経営判断ではROIを重視します。
業種別のROAS目標値
| 業種 | 目標ROAS | 補足 |
|---|---|---|
| EC・通販(単品) | 300-600% | LTVを考慮すると初回は200%でも可 |
| EC・通販(総合) | 400-800% | ついで買いが多く、ROASは高め |
| 健康食品・サプリ | 200-400% | 定期購入前提。LTVは初回の3-5倍 |
| BtoB(リード獲得) | 目標CPAで管理 | ROASではなく、CPA・商談化率で評価 |
| 不動産 | 1,000-3,000% | 高額商材のため、ROASは非常に高い |
| 教育・人材 | 500-1,000% | 申込単価が高く、ROASは高め |
ROI目標の設定方法
ROI目標は、以下の手順で設定します。
ROI目標設定の4ステップ
- 粗利率の確認:自社商品の粗利率を把握(例:粗利率40%)
- 許容CPAの算出:商品単価×粗利率=許容CPA(例:10,000円×40%=4,000円)
- 目標ROASの算出:100÷粗利率×100(例:100÷40×100=250%)
- ROI目標の設定:最低でもROI 100%以上(利益が広告費と同額)を目指す
ROI計算の具体例
【計算例】EC事業者の場合
- 広告費:100万円
- 売上:400万円(ROAS 400%)
- 原価:240万円(粗利率40%)
- 粗利:160万円
- 利益:160万円-100万円=60万円
- ROI:60万円÷100万円×100=60%
評価:ROAS 400%でも、ROIは60%。利益は出ているが、もう少し改善の余地あり。
媒体別の予算配分戦略
Google、Meta(Facebook/Instagram)、Yahoo!、LINE、TikTok など、主要媒体への予算配分を考えます。
主要媒体の特徴と適性
| 媒体 | 強み | 適した商材 |
|---|---|---|
| Google広告 | 検索意図が明確。顕在層にリーチ | BtoB、高額商材、比較検討型商品 |
| Yahoo!広告 | 40代以上のリーチが強い | 健康食品、保険、不動産 |
| Meta広告 | 詳細なターゲティング。ビジュアル訴求 | EC、アパレル、美容、BtoC全般 |
| LINE広告 | 国内最大ユーザー。幅広い年齢層 | 地域密着型ビジネス、BtoC全般 |
| TikTok広告 | 若年層に圧倒的リーチ。バズ可能性 | 10-20代向け商品、トレンド商品 |
| X(旧Twitter)広告 | リアルタイム性。拡散力 | イベント、キャンペーン、アプリ |
ビジネスモデル別の推奨配分
ビジネスモデルによって、最適な媒体配分は異なります。
BtoB企業(予算月200万円の場合)
- Google広告:70%(140万円)検索広告中心
- Meta広告:20%(40万円)リマーケティング、類似配信
- LinkedIn広告:10%(20万円)決裁者へのダイレクトリーチ
EC事業者(予算月300万円の場合)
- Google広告:45%(135万円)検索+ショッピング広告
- Meta広告:35%(105万円)Instagram中心のビジュアル訴求
- Yahoo!広告:15%(45万円)40代以上への補完
- LINE広告:5%(15万円)リマーケティング
若年層向けBtoC(予算月150万円の場合)
- TikTok広告:40%(60万円)メイン施策
- Meta広告:35%(52.5万円)Instagram Stories中心
- Google広告:25%(37.5万円)指名検索・リマーケティング
媒体配分の基本原則
押さえておくべきポイント
- 1媒体に集中しすぎない:リスク分散のため、2-3媒体に配分
- 効果の良い媒体に傾斜配分:ROASの高い媒体に予算をシフト
- テスト予算を確保:全体の10-20%は新媒体・新施策のテストに
- 季節変動に対応:繁忙期は全体予算を増額し、媒体比率は維持
企業規模別・予算の組み方
企業規模(予算規模)によって、最適な予算の組み方は大きく異なります。
月間予算10-30万円の場合
推奨戦略
- 媒体:1媒体に集中(Google検索広告 または Meta広告)
- ターゲット:絞り込みを徹底。指名キーワード、リマーケティング中心
- クリエイティブ:2-3パターンでテスト。勝ちパターンに集中
- 目標:月10-30件のCV獲得を目指す
注意点:少額予算では、媒体を分散させると両方で成果が出にくい。1媒体に集中し、データを蓄積することが重要。
月間予算30-100万円の場合
推奨戦略
- 媒体:2媒体に配分(Google 60-70%、Meta 30-40%)
- キャンペーン構成:検索広告、ディスプレイ広告、リマーケティングを展開
- クリエイティブ:5-10パターンで継続的にテスト
- 目標:月30-100件のCV獲得を目指す
注意点:両媒体で本格的な運用が可能な予算規模。週次でパフォーマンスをレビューし、配分を微調整。
月間予算100-300万円の場合
推奨戦略
- 媒体:3-4媒体に配分(Google 40-50%、Meta 30%、その他20-30%)
- キャンペーン構成:検索、ディスプレイ、動画、SNSを組み合わせ
- クリエイティブ:大量のパターンテスト。月10-20本の新規投入
- 専任担当:社内専任担当者 または 代理店活用を検討
- 目標:月100-300件のCV獲得を目指す
注意点:複数媒体の最適化が必要。データ分析とPDCAサイクルを高速で回す体制を構築。
月間予算300万円以上の場合
推奨戦略
- 媒体:5媒体以上に配分。ROASに応じて柔軟に調整
- キャンペーン構成:フルファネル戦略。認知→興味→比較→購入の全段階
- チーム体制:複数名の専任チーム、または代理店との協業
- 高度な施策:動的リターゲティング、ABテスト、アトリビューション分析
- 目標:ROI最大化。ブランド価値向上も視野に
注意点:大規模予算では、効率化とスケールの両立が課題。MAツール、BIツールを活用し、データドリブンな運用を。
失敗しない予算配分の5ステップ
ここでは、実践的な予算配分の手順を5ステップで解説します。
ステップ1:ビジネスゴールとKPIの設定
まず、Web広告で何を達成したいかを明確にします。
主なゴールとKPI
- 売上拡大:KPI = 売上、ROAS、ROI
- 新規顧客獲得:KPI = CV数、CPA、新規顧客比率
- ブランド認知:KPI = インプレッション数、リーチ数、ブランド検索数
- リピーター育成:KPI = リピート率、LTV、継続率
ステップ2:総予算の決定
3つのアプローチから総予算を決定します。
総予算決定の3つの方法
- 売上目標から逆算:目標売上1,000万円÷目標ROAS 400%=250万円
- 売上比率で設定:年間売上1億円×広告費比率10%=月間83万円
- 獲得目標から逆算:目標CV数100件×目標CPA 15,000円=150万円
ステップ3:媒体別の配分
ターゲット層、商材特性に応じて、媒体別に配分します。
配分の基本原則
- 過去実績を参考に:ROASの高い媒体に多めに配分
- テスト予算を確保:10-20%は新規施策のテストに
- リスク分散:1媒体に80%以上を集中させない
- 柔軟性を持たせる:月次で見直し、配分を調整
ステップ4:キャンペーン別の配分
各媒体内で、キャンペーン(検索、ディスプレイ、動画等)に配分します。
| キャンペーン種類 | 推奨比率 | 目的 |
|---|---|---|
| 検索広告(指名) | 15-25% | 自社名検索への対応。CVRが最も高い |
| 検索広告(一般) | 30-40% | 顕在層の獲得。新規顧客開拓 |
| ディスプレイ広告 | 15-25% | リマーケティング、認知拡大 |
| SNS広告 | 20-30% | ビジュアル訴求、若年層リーチ |
| 動画広告 | 5-15% | ブランディング、認知拡大 |
ステップ5:モニタリングと最適化
配信開始後、定期的にパフォーマンスをチェックし、配分を最適化します。
最適化のチェックポイント
- 週次:各媒体・キャンペーンのCPA、ROASを確認。目標から大きく乖離している場合は調整
- 月次:媒体別の配分比率を見直し。効果の高い媒体に予算をシフト
- 四半期:総予算の妥当性を検証。目標達成度に応じて予算を増減
- 年次:年間戦略を見直し。次年度の予算計画を策定
よくある予算配分の失敗パターン
Web広告の予算配分でよくある失敗パターンと、その回避方法をご紹介します。
失敗パターン1:予算を均等配分してしまう
典型例
「Google、Meta、Yahoo!に均等に配分しよう」として、各33%ずつ配分。しかし、Googleのみ効果が高く、他2媒体は無駄打ちに。
正しい対応
過去実績やテスト結果に基づき、ROASの高い媒体に傾斜配分。Google 60%、Meta 30%、Yahoo! 10%など、メリハリをつける。
失敗パターン2:予算消化が目的になる
典型例
「月100万円の予算があるから、とにかく使い切らなければ」と、効果の悪いキャンペーンにも配信を続け、ROASが悪化。
正しい対応
目標ROASを下回るキャンペーンは停止または縮小。余った予算は、効果の高いキャンペーンに再配分、または次月に繰り越す。
失敗パターン3:テスト予算を確保していない
典型例
既存のキャンペーンに100%予算を配分し、新しい媒体や施策をテストする余裕がない。結果、競合に遅れを取る。
正しい対応
全体予算の10-20%はテスト予算として確保。TikTokなどの新興媒体や、新しいクリエイティブフォーマットを試す。
失敗パターン4:季節変動を考慮していない
典型例
年間通じて毎月同じ予算で配信。繁忙期に機会損失、閑散期に無駄打ちが発生。
正しい対応
繁忙期(例:年末年始、ボーナス時期)は予算を1.5-2倍に増額。閑散期は50-70%に抑制。年間予算の範囲内で柔軟に調整。
失敗パターン5:短期的な判断で配分を変えすぎる
典型例
「今週Metaの成果が悪かったから、来週は予算を半分に」と、毎週大きく配分を変更。AIの学習が進まず、常に不安定な状態に。
正しい対応
最低でも2-4週間のデータを見てから判断。短期的な変動に振り回されず、トレンドを見極める。大きな変更は月次で実施。
業界別・予算配分成功事例
実際に適切な予算配分で成果を出した企業の事例をご紹介します。
※以下の事例は、実際の広告運用データをもとに、企業や個人が特定されないよう業種・数値を一部改変しています。成果数値は運用環境や時期により異なりますので、参考値としてご覧ください。
EC事業者の事例
【事例】食品EC A社(月間予算300万円→450万円)
課題
売上は伸びているが、広告費が固定で機会損失が発生。適正予算が不明だった。
実施内容
- 売上目標3,000万円÷目標ROAS 500%=必要広告費600万円と算出
- 段階的に予算を増額(300万→450万→600万)
- 媒体配分:Google 50%、Meta 35%、LINE 15%
- 繁忙期(年末年始)は予算を800万円まで増額
結果:月間売上が1,800万円→3,200万円に増加。ROAS は480%で目標達成。広告費を適正化したことで、機会損失がなくなった。
BtoB SaaS企業の事例
【事例】クラウドサービスB社(月間予算200万円)
課題
Google、Meta、LinkedIn に均等配分していたが、効果にばらつきがあり、非効率だった。
実施内容
- 3ヶ月間のデータ分析で、Googleが最も効率的と判明(CPA 18,000円)
- 媒体配分を見直し:Google 70%(140万円)、Meta 20%(40万円)、LinkedIn 10%(20万円)
- Googleは検索広告に集中、Metaはリマーケティングに特化
- 月次でROI を算出し、四半期ごとに配分を見直し
結果:リード獲得数が月間80件→125件に増加。CPAが25,000円→16,000円に改善。効率的な予算配分でROI が180%向上。
美容・コスメ業界の事例
【事例】化粧品メーカーC社(月間予算500万円)
課題
若年層向け商品なのに、Google検索広告に60%の予算を配分し、リーチが偏っていた。
実施内容
- ターゲット分析で、20-30代女性へのリーチが重要と再確認
- 媒体配分を大幅変更:Meta(Instagram)40%、TikTok 30%、Google 30%
- インフルエンサー施策と広告を連動。UGCを広告クリエイティブに活用
- テスト予算20%を確保し、新しいクリエイティブを毎週投入
結果:20-30代の新規顧客が前年比250%に増加。TikTokでバズが発生し、オーガニックでも拡散。ROAS は320%→580%に向上。
不動産業界の事例
【事例】不動産仲介D社(月間予算150万円)
課題
年間通じて同じ予算で配信していたが、繁忙期(2-3月)に問い合わせが取り切れず、機会損失が発生。
実施内容
- 年間予算1,800万円を季節変動に合わせて配分
- 繁忙期(2-3月):月300万円、閑散期(7-8月):月80万円
- 媒体はGoogle検索広告に集中(エリア×物件タイプで細かくキャンペーン分け)
- 閑散期は指名キーワードのみに絞り、予算を抑制
結果:年間問い合わせ数が480件→720件に増加。繁忙期の取りこぼしがなくなり、年間売上が130%に。
これらの事例から分かるように、適切な予算配分は、売上・ROI の最大化に直結します。データに基づいて継続的に見直すことが重要です。
Web広告の予算配分を含むマーケティング戦略については、マーケティングワンのコラムでも定期的に発信しています。予算最適化のヒントとしてご活用ください。
予算を見直すべきタイミング
以下のようなシグナルが出たら、予算配分を見直すタイミングです。
シグナル1:ROASが目標から大きく乖離
2ヶ月連続でROASが目標値から30%以上乖離している場合、予算配分を見直します。
対応策
- ROASが低い媒体:予算を30-50%削減、または一時停止
- ROASが高い媒体:予算を30-50%増額し、スケール
- 全媒体でROAS低下:LP改善、クリエイティブ刷新、ターゲティング見直し
シグナル2:予算消化が早すぎる/遅すぎる
月の途中で予算を使い切る、または月末に大量に余る場合は、予算設定が不適切です。
対応策
- 消化が早すぎる:総予算を増額、または日予算の上限を設定
- 消化が遅すぎる:入札を強化、ターゲットを広げる、または総予算を削減
- 適切な消化ペース:月間予算の±10%以内で推移するのが理想
シグナル3:新商品・新サービスのローンチ
新商品発売時は、認知拡大のため、一時的に予算を増額します。
対応策
- ローンチ月:通常予算の1.5-2倍に増額
- 媒体配分:認知拡大重視で、動画広告・SNS広告の比率を高める
- 期間:ローンチ後1-3ヶ月は増額を維持
- 効果検証:3ヶ月後にデータを分析し、通常予算に戻すか判断
シグナル4:競合の動きに変化
競合が広告を強化した場合、CPCが上昇し、同じ予算でもリーチが減少します。
対応策
- 予算増額:競合と同等の露出を維持するため、予算を増額
- 差別化:クリエイティブや訴求軸を見直し、競合と差別化
- ニッチ攻略:競合が手薄なロングテールキーワードやセグメントを攻める
シグナル5:事業フェーズの変化
事業が成長期から安定期に移行した場合、広告戦略も変わります。
対応策
- 成長期→安定期:広告費比率を下げ、効率重視の運用に。リピーター育成にシフト
- 安定期→衰退期:広告費をさらに削減。ブランド維持の最低限の予算に
- 再成長期:新規顧客獲得のため、再度予算を増額
FAQ:Web広告予算に関するよくある質問
Web広告の予算配分について、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1. Web広告予算は売上の何%が適正ですか?
業種や事業フェーズによって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- BtoB企業:売上の2-5%
- BtoC企業(一般):売上の5-15%
- EC・通販:売上の10-20%
- スタートアップ(成長期):売上の30-50%も可
重要なのは売上比率ではなく、ROIです。利益が出ている限り、比率が高くても問題ありません。逆に、利益が出ていなければ、比率が低くても見直しが必要です。
Q2. 最低いくらから Web広告を始められますか?
媒体によって最低出稿額は異なりますが、現実的に効果を出すための目安は以下の通りです。
- 月10万円以上:1媒体に集中すれば、一定の成果は出る
- 月30万円以上:2媒体に配分し、本格的な運用が可能
- 月50万円以上:スマート自動入札の学習に十分なデータが集まる
月10万円未満の場合、データが不足し、最適化が進みにくいため、SNS運用やSEOなど、他の施策との組み合わせを検討することをおすすめします。
Q3. Google、Meta、Yahoo!への配分比率の目安を教えてください
ビジネスモデル別の推奨配分は以下の通りです。
- BtoB企業:Google 70%、Meta 20%、その他10%
- EC(30-50代向け):Google 45%、Meta 35%、Yahoo! 20%
- EC(20-30代向け):Google 40%、Meta 50%、その他10%
- 若年層向けBtoC:Google 30%、Meta 40%、TikTok 30%
ただし、これはあくまで初期配分の目安です。運用開始後、ROASのデータに基づいて柔軟に調整してください。
Q4. 予算配分はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
以下の頻度で見直すことをおすすめします。
- 日次:予算消化ペースの確認。異常値のチェック
- 週次:各キャンペーンのパフォーマンス確認。微調整
- 月次:媒体別の配分比率を見直し。効果の高い媒体に予算シフト
- 四半期:総予算の妥当性を検証。大きな戦略変更
ただし、大きな変更(30%以上の予算増減)は、最低でも2-4週間のデータを見てから判断してください。短期的な変動に振り回されないことが重要です。
Q5. 予算が限られている場合、何を優先すべきですか?
少額予算では、以下を優先してください。
- 1媒体に集中:複数媒体に分散させず、Google または Meta のどちらかに集中
- 顕在層を狙う:検索広告(指名キーワード)、リマーケティングなど、CVRの高い施策に絞る
- ターゲットを絞る:幅広いターゲティングは避け、確実に刺さる層に集中
- LP最適化を優先:広告費を増やす前に、LPのCVRを改善。同じ予算でもCV数が増える
予算が月10万円未満の場合は、Web広告よりもSEO、SNS運用、メールマーケティングなど、広告費がかからない施策の方が効率的なケースもあります。
Q6. ROASとROI、どちらを重視すべきですか?
両方重要ですが、立場によって重視する指標が異なります。
- 広告運用担当者:ROAS を重視。日々の運用で改善しやすい
- マーケティング責任者:ROI を重視。利益ベースで評価
- 経営者:ROI を重視。事業全体の収益性を判断
理想は、ROAS で日々の運用を最適化しつつ、月次・四半期でROIを確認し、総予算の妥当性を判断することです。ROASが高くても、粗利率が低ければROIは低くなるため、両方を見る必要があります。
Q7. 代理店に運用を依頼する場合、手数料は予算に含めるべきですか?
代理店手数料は、通常、広告費とは別に計上します。
- 広告費:媒体に支払う費用(Google、Meta等に直接支払う金額)
- 手数料:代理店に支払う運用手数料(広告費の20%が相場)
例:広告費100万円、手数料20万円の場合、合計120万円が必要
ROI・ROAS計算時は、手数料を含めた総費用(120万円)を分母にすることで、正確な収益性が把握できます。ただし、媒体管理画面のROASは広告費のみで計算されるため、注意が必要です。
まとめ:Web広告予算の適正化で成果を最大化する
Web広告の成果は、予算の多寡ではなく、「適正な予算配分」と「継続的な最適化」で決まります。
本記事の重要ポイント
- 適正予算は売上・ROI目標から逆算
業種別の相場はあくまで参考値。自社のビジネスモデルに合わせて設定する。 - ROI・ROAS目標を明確に
目標なき予算配分は失敗の元。粗利率を考慮し、現実的な目標を設定する。 - 媒体配分はデータドリブンに
均等配分は避け、ROASの高い媒体に傾斜配分。テスト予算は10-20%確保。 - 企業規模に応じた戦略
少額予算は1媒体集中、大規模予算は複数媒体でフルファネル戦略を。 - 定期的な見直しが成果を生む
月次で配分を見直し、四半期で総予算を検証。柔軟に調整する。
2026年現在、Web広告市場は3.8兆円規模に成長し、AIによる自動最適化も進化しています。しかし、適切な予算配分と目標設定は、依然として人間の戦略的判断が不可欠です。
「とりあえず予算を使う」のではなく、売上目標・ROI目標から逆算し、データに基づいて継続的に最適化する。この基本を徹底することで、中小企業でも大手に負けない成果を出すことができます。
まずは自社の現状を分析し、本記事で紹介した5ステップに沿って予算を組んでみてください。3ヶ月後には、確実に効率が改善しているはずです。
【再掲:本記事のデータについて】
本記事で紹介した広告費比率、ROAS、ROIなどの数値は、公開統計データ、業界調査、複数の運用実績を参考にした参考値です。実際の結果は、ターゲット層、商材の特性、競合状況、運用スキルなどにより大きく異なります。自社での実施前には、必ずテスト配信を行い、データに基づいて判断することをおすすめします。
Web広告の予算配分を含むマーケティング戦略については、マーケティングワンのコラムでも定期的に発信しています。予算最適化のヒントとしてご活用ください。
Web広告の予算配分・ROI改善でお悩みですか?
「適正予算がわからない」「ROASは高いのに利益が出ない」「複数媒体の配分に悩んでいる」そんなお悩みをお持ちの方は、お気軽にご相談ください。Google・Meta・Yahoo!など主要媒体の認定資格を持つ専門チームが、貴社のビジネスゴールに最適な予算配分戦略をご提案いたします。現状分析から運用代行まで、ワンストップでサポートいたします。
